日本留学紹介

日本の学校教育制度

日本の学校教育は、幼児が通う幼稚園から始まり、小学校(6年間)、中学校(3年間)の義務教育(9年間)を修了後、高等学校(3年間)へ進みます。そして、みなさんが進学しようとする大学、短期大学、専門学校は、日本では高等学校を卒業した者(または同等以上の学力を持つ者)が進む教育機関であり(図1)、それぞれの修業年限や教育の内容に特徴を持っています。各学年のスタートは一部を除いて4月です。したがって多くの受験は、4月入学をめざし行われるので、スケジュールに注意が必要です。

1. 大学(大学院)・短期大学

ふつう大学は4年間、短期大学は2年間の修業期間になっています(大学院の標準修業年限は、修士課程2年、博士課程5年、専門職学位課程2年)。いずれも、国立、公立(都道府県市立等)と私立とに分かれていますが、大部分が私立の学校です。現在、日本の高校卒業者の約半数が大学、短期大学に進学しています。2012年5月1日時点で留学生数137,756人のうち69,274人が大学、39,641人が大学院、1,603人が短期大学に在学しています。

大学(大学院)の特徴

4年制大学は、学部で構成されており、人文学科系(文学部、外国語学部など)、社会科学系(法学部、経済学部、商学部など)、自然科学系(理学部、工学部、農学部など)に大きく分けられ、さらに学部が学科(英文学科、法学科、経済学科など)に分かれています。大学院では、それらの系統・学部によって、「修士」「博士」「専門職学位」の学位が授与されます。大学は、通常4年間で124単位以上を修得して卒業することができ、卒業時には「学士」の学位が授与されます。

短期大学の特徴

短期大学は、学部ではなく学科で構成され、人文系(国文科、英文科など)、社会系(ビジネス科、秘書科など)、教養系(教養科、国際文化科など)、工業系(自動車科、電気科など)、医療系(看護か、臨床工学科など)、教育系(幼児教育科、児童福祉科など)、家政系(食物栄養科、ファッションデザイン科など)、芸術系(美術家、デザイン科など)、その他に分けられます。

卒業に必要な単位数は62単位以上(修業年限が3年の場合、93単位以上)。

卒業時には「短期大学士」の学位が与えられます。

2.専門学校

専門学校は、都道府県知事の認可により「職業教育」を行う高等教育機関として位置づけられています。2012年5月1日時点で、25,167人の留学生が専門学校で学んでいます。また、日本国内の専門学校進学者数は短大進学者数を上回り、社会的にも確かな地位を築いています。

専門学校の特徴

専門学校は「社会ですぐに役立つ職業能力を養う」ことを目的とするため、職業と密接に結びついた教育を行い、仕事に必要な知識や技術を学びます。その教育分野は学習内容によって、工業、商業実務、医療、衛生、文化・教養、教育・社会福祉、服飾・家政、農業分野の8分野に区分されています。そして、それぞれの系統の中で学科が設けられています。(表1参照)。教育内容も実習が多く取り入れられ、実務的なものが中心になります。このような特徴を持つ専門学校ですから、大学、短大への進学に比べて、より具体的な将来の目標(職業)を定める必要があります。自分が何をしたいのか、どんな技術を身につけたいのかによって、学校の選択が決まってくるのです。修業年限2年以上、総授業時間数1,700時間以上などの要件を満たした課程を修了すれば、「専門士」の称号を得られ、大学3年次(場合により2年次)に編入学できます。また、4年制の学科では、修業年限4年以上、総授業時間3,400時間以上等の課程を修了すれば、「高度専門士」の称号を得ることができ、大学院入学資格が与えられます。

8分野 主な設置学科
工業系 建築、土木、測量、建設、電子工学、電気、放送、通信、自動車整備、機械、コンピュータ、情報、航空整備 他
商業実務系 簿記、会計、経理、経営、秘書、観光、ホテル、ビジネス、医療事務 他
医療系 看護、臨床検査、臨床工学、診療放射線、歯科衛生、歯科技工、リハビリテーション、柔道整復、はり、きゅう 他
衛生系 栄養、調理、製菓、製パン、利用、美容、メイク、エステ、ネイル 他
文化・教養系 音楽、美術、造形、デザイン、放送、芸術、写真、語学、通訳、動物看護、トリマー、法律行政、スポーツ 他
教育・社会福祉系 保育、幼児教育、社会福祉、介護福祉 他
服飾・家政系 服飾、ファッションデザイン、和裁、きもの、ファッションビジネス 他
農業系 農業、園芸、造園、バイオテクノロジー 他
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